2級シャトーが2つ、3級シャトー1つ、4級シャトーが1つ、5級シャトーが1つ
メドックはボルドーの葡萄栽培地域の中で“バーメドック”と呼ばれてきた最北部で、4,700haを越える広大な葡萄畑がある。主に砂礫質土壌となっている。オーメドックも4,200haを越える葡萄畑があり、ボルドー市の北からバーメドックの始まるところまで続く、広大なアペラシオンとなっている。主に粘土質土壌。ムーリは570haの小規模なアペラシオンで、シャススプリーンやプジョーなどの有名なシャトーがある。リストラックは内陸にあるアペラシオンで、700haの葡萄畑がある。この地域での格付けシャトーは、すべてオーメドックにある。
La Lagune(ラ・ラギューヌ)
格付け 3級
面積 75.0ha
品種 カベルネソーヴィニョン50% メルロ20% カベルネフラン20%
プティヴェルド10%
樹齢 35年
生産本数 25万本
醸造/熟成 新樽50~90%18~24ヶ月 清澄あり 濾過なし
セカンドワイン ムーラン・ド・ラ・ラギューヌ/23万本
試飲レポート 82① 82② 87 99
ラ・ラギューヌはグラーヴとよく似た砂礫の砂地にある。ラ・ラギューヌは1800年末から1900年代の始めにかけて、万国博で金賞を受賞するなど、人気を博した時期があった。その後戦争や葡萄樹の老化などがあって生産は一時停滞したが、地道に改植を進め、休園地以外に放牧地を作って家畜を飼育し、有機堆肥を利用した葡萄畑の地力の回復を図った。現在は、力強くも柔らかな味わいと口当たりのワインを造るようになり、安定したワインが期待できる。主張しすぎない酒質は、料理との相性も抜群だ。
La Tour Carnet(ラ・トゥール・カルネ)
格付け 4級
面積 46.0ha
品種 カベルネソーヴィニョン52% メルロ 42% カベルネフラン4%
プティヴェルド2%
樹齢 30年
生産本数 18万本
醸造/熟成 新樽100% 16~18ヶ月 清澄あり 濾過なし
セカンドワイン レ・ドゥーヴ・ド・カルネ/9万本
試飲レポート 97
サンローラン村にあり、濠をめぐらせた中世の城のようなシャトーを持つ。1962年に畑の改食がされた。全般に構造の緩い、中庸なワインとなることが多いが、オーナーのベルナール・マグレの熱意とエノロジストのミシェル・ロランによる品質向上が期待される。
Belgrave(ベルグラーヴ)
格付け 5級
面積 55.0ha
品種 カベルネソーヴィニョン55% メルロ32% カベルネフラン12%
プティヴェルド1%
樹齢 25年
生産本数 23万本
醸造/熟成 新樽40~60% 15~18ヶ月 清澄あり 濾過なし
セカンドワイン ディアーヌ・ド・ベルグラーヴ/13万5000本
メドックの中でも古い歴史を持つ。ドゥールト社が1980年に買収してから品質が向上している。エノロジストのミシェルロランをコンサルタントに迎え、畑の植え替えやカベルネの比率を上げるなどその取り組みは着実に実を結びつつある。
Cantemerle(カントメルル)
格付け 5級
面積 87.0ha
品種 カベルネソーヴィニョン52% メルロ40% プティヴェルド5%
カベルネフラン3%
樹齢 25年
生産本数 35万本
醸造/熟成 新樽40%12ヶ月 清澄あり 濾過あり
セカンドワイン レ・ザレ・ド・カントメルル/13万本
試飲レポート 95
メドックの最南端に位置する長い歴史のあるシャトー。砂利質土壌を持つ。1980年以前は壜ごとにばらつきがあり、古い樽の臭いなどの欠点が見られたが、オーナーがドメーヌ・コルディエに変わり、葡萄の植え替えなどが行われた結果、やわらかな果実味を備えた若いうちから親しみやすいワインを造るようになった。
Camensac(カマンサック)
格付け 5級
面積 75.0ha
品種 カベルネソーヴィニョン60% メルロ40%
樹齢 35年
生産本数 28万本
醸造/熟成 新樽35%18ヶ月 清澄あり 濾過あり
セカンドワイン ラ・クロズリー・ド・カマンサック/8万本
サン・ジュリアンの西にあるサンローラン村に位置する。地味な印象であまり知られていないのが残念。若干軽いスタイルで、しなやかさと果実味を前面に出したワインです。