St-Estephe(サン・テステフ)


2級シャトーが2つ、3級シャトー1つ、4級シャトーが1つ、5級シャトーが1つ

オーメドックのAOCの中で、最も大西洋に近い場所にあるサンテステフ(面積は約1400ha)。1855年の格付けに5つのシャトーが選ばれています。ジロンド河の河口に近く、その土壌は、川によって運ばれ、ここで堆積した砂や粘土質で構成されています。この粘土質の土壌は、酷暑のヴィンテージでは粘土による水はけの悪さが有利に働き、他のアペラシオンに比べて高い品質のワインを生みます。

サンテステフのワインは、色はしっかりと濃く、力強さと体格がうまくまとまっており、含まれるタンニン(渋みの成分)の量が、他のAOCに比べて多いといわれています。このAOCの南部地区、ポイヤックに近いところでは、その影響を受け、特徴のある苦みをもった、シャトー・コス・デストゥルネル、シャトー・コス・ラボリ。シャトー・ラフォン・ロシェなどがあります。

有名なようであまり知られていない、もっと日本で紹介されてもよいAOCの一つ。力強い酒質が特徴です。


Cos D'estournel(コス・デストゥルネル)

格付け 2級

面積 64.0ha

品種 カベルネソーヴィニョン60% メルロ38% カベルネフラン2% 

樹齢 35年

生産本数 25万本

醸造/熟成 ステンレスタンクで3週間/新樽80%18ヶ月 清澄あり 濾過なし 

セカンドワイン レ・パゴド・ド・コス/12万本

試飲レポート  81 86 95① 95②

サンテステフの南、ポイヤックとの境、ラフィットを見下ろす丘に位置する。ジャン・ギョーム・プラッツが指揮をとるサンテステフを代表するシャトー。オリエンタル風のシャトーは、かつての園主がインドやアラビア方面を訪れてワインを販売していたころに、その印象強さから建てられたもので、第二次世界大戦中に一度破壊されてしまったが、戦後復旧された。シャトー名のコス(Cos)はコート(Cote)と同じ『丘』という意味で、石灰分を含んだ石礫質の土壌の畑をもつ。メドックの中でも高い比率でメルロを使うシャトーで、若いうちからまろやかに美味しいが長期熟成も可能な、美味しさの寿命が長いワインを生産している。品質も名声もメドックの2級シャトーの中で筆頭格。メドックの格付けが再度行われれば、1級へ昇格するとの声が高い。

 

Montrose(モンローズ)

格付け 2級

面積 68.5ha

品種 カベルネソーヴィニョン65% メルロ 25% カベルネフラン8%

プティヴェルド2% 

樹齢 43年

生産本数 20万本

醸造/熟成 ステンレスタンクで3~4週間/新樽50~70%18ヶ月

清澄あり 濾過なし 

セカンドワイン ラ・ダーム・ド・モンローズ/15万本

試飲レポート

ラ・ダーム03          

モンローズ82 95 03① 03②

かつてこの地方が英国領であったことから、他の地区よりもいち早くイギリスへ輸出されていたことに由来して、モンローズは古くからイギリスで高い評価を得ているシャトーです。オーナーのジャン・ルイ・シャルモリュは、その父が1896年から25年間、サンテステフ村の村長を務めた経歴を持ちます。また、1896年以降、同族が経営しています。ジロンド河に沿って広がるカベルネ種やプティヴェルドの葡萄畑から生まれるワインはタニックで力強く、また熟成に樽を高い比率で使用している。『サンテステフのラトゥール』とも呼ばれるほど、頑強で長命なワイン。セカンドワインのラ・ダーム・ド・モンローズは近年特に品質が向上していて、1級レベルにあるワインのセカンドワインとして非常にコストパフォーマンスが高い。

 

Calon Segur(カロン・セギュール)

格付け 3級

面積 53.0ha

品種 カベルネソーヴィニョン65% メルロ20% カベルネフラン15% 

樹齢 35年

生産本数 24万本

醸造/熟成 ステンレス槽で3週間/新樽50%18ヶ月 

清澄あり 濾過なし 

セカンドワイン マルキ・ド・カロン/4万本

試飲レポート  96

18世紀当時、カロンセギュールを所有していたセギュール公爵が、ラトゥールやラフィットなど他の著名なシャトーを買収し、そうそうたるワインをほしいままにしていた頃、「我、ラフィットやラトゥールを造りしが、わが心カロンにあり」という言葉を残したという逸話があります。名門シャトーを次々と手に入れても、思いはいままでもこれからもカロンセギュールにあるという、その愛情が今もラベルのハートとして描かれています。サンテステフの最北に位置し、砂礫石灰質というカベルネ種に適した土壌と、粘土質のメルロに適した土壌を持つカロンセギュールは、ややヴィンテージごとに品質にばらつきが見られるシャトーです。カベルネがよく熟した年は特に力強いワインを生み出しています。ヴィンテージによってはあまりに強く、硬く閉じる性格をもっているため、リリースされてから飲み頃を迎えるまで10年余りを要することもしばしばです。

 

Lafon Rochet(ラフォン・ロシェ)

格付け 4級

面積 42.0ha

品種 カベルネソーヴィニョン55% メルロ40% カベルネフラン5% 

樹齢 30年

生産本数 12万本

醸造/熟成 ステンレス槽で3週間/新樽50%20ヶ月 清澄あり 濾過あり 

セカンドワイン レ・ペルラン・ド・ラフォン・ロシェ/12万本

かのラフィット(ポイヤック)と、ほんの小さな小川を挟んだ隣同士という立地で、粘土質の土壌から重みのあるワインを生み出しています。メルロの比率が高く全般にまろやかな味わいで、若いうちは比較的シンプルな酒躯ですが、熟成を経ると複雑さが花開きます。近年はセカンドワインの導入などでファーストラベルの品質が安定してきていて、コストパフォーマンスも高いワインです。

 

Cos Labory(コス・ラボリ)

格付け 5級

面積 18.0ha

品種 カベルネソーヴィニョン55% メルロ35% カベルネフラン10% 

樹齢 35年

生産本数 6万5000本

醸造/熟成 ステンレスタンク/新樽40%12~15ヶ月 清澄あり 濾過なし 

セカンドワイン ル・シャルム・ラボリ/4万5000本

ラフィットとコスデストゥルネルに隣接する立地に恵まれたシャトー。80年代前半までは比較的弱い酒質のワインで、5級格付けにふさわしくないといわれることもありましたが、近年は寿命を持った安定した品質を回復しています。コス・ラボリの砂礫質の土壌は、ワインに土っぽい独特な個性を与え、近年は複雑さも備えたワインを産出しています。