St Julien (サン・ジュリアン)


2級シャトーが5つ、3級シャトー2つ、4級シャトーが4つ

メドックのコミューンAOCの中でも狭い地域ですが、全般に質の高いワインを産出するAOC(約911ha)で、1855年に11のシャトーが格付けされ、うち5シャトーは第2級に選ばれています。サンジュリアンの全生産量の80%をこの11の格付けシャトーが占めています。北部にはシャトー・レオヴィル・ラスカーズ、シャトーレオヴィル・ポワフェレ、シャトー・タルボなど。南部には、シャトー・ベイシュヴェル、シャトーグリュオ・ラローズ、など、有名シャトーがひしめいています。

サンジュリアンとポイヤックとの境は幅50㎝にも満たない小川だけなので、全般的に非常によく似た性格をもちます。AOC全体の特徴は、色調は優雅で、やわらかい香り。十分に豊潤なボディーのワインであるといわれています。


Leoville Las Case(レオヴィル・ラス・カーズ)

格付け 2級

面積 97.2ha

品種 カベルネソーヴィニョン65% メルロ19% カベルネフラン13%

プティヴェルド3% 

樹齢 30年

生産本数 21万6000本

醸造/熟成 木製・コンクリート・ステンレス槽で12~20日間

新樽50~100% 12~24ヶ月 清澄あり 濾過なし 

セカンドワイン クロ・デュ・マルキ/24万本

試飲レポート

【ラス・カーズ】 82 85 02 

【クロ・デュ・マルキ】 00 02

18世紀の貴族の領地だったことを示す文字がラベルに刻まれている。サンジュリアンにはレオヴィルと名のつくシャトーが3つある。バルトン、ポワフェレとラスカーズ。もともとは一つだった畑が分家したもので、レオヴィルの下の名は、分家当時の所有者の名がそのまま付いている(ラスカーズは、ラス・カーズ・ボーヴァス伯爵)。サンジュリアンの最北、ポイヤックとの境に位置し、ラトゥールに隣接しています。沖積台地で石礫質の、排水のよい優れた畑から、スーパーセカンド筆頭格にふさわしい、圧倒的に凝縮したワインを造りだします。また、葡萄の力強さにあわせ、年によって50~100%と大胆に新樽比率を変えています。

 

Leoville Barton(レオヴィル・バルトン)

格付け 2級

面積 48.0ha

品種 カベルネソーヴィニョン72% メルロ 20% カベルネフラン8%

樹齢 30年

生産本数 26万4000本

醸造/熟成 木製槽で15~21日間/新樽50%20ヶ月

清澄あり 濾過あり 

セカンドワイン ラ・レゼルヴ・ド・レオヴィル・バルトン/7万本

試飲レポート  00

もとは一つだった三つのレオヴィルの一つ。1826年より同一オーナーが所有し続けている。兄弟ワインのランゴア・バルトンよりも良好なワインといえる。サンジュリアンの中でも高いカベルネソーヴィニョンの比率で、力強いタニックなワインを造り出す。近年はオーナーのアントニ・バルトンの指揮のもと、果実味に富んだ、凝縮感の強い芳醇なワインを次々と造り出しています。品質の高さに比べてその価格は手ごろで(ボルドークリュの中では)、偉大なヴィンテージのバルトンは特にコストパフォーマンスに優れます。

 

Leoville Poyferre(レオヴィル・ポワフェレ)

格付け 2級

面積 80.0ha

品種 カベルネソーヴィニョン65% メルロ25% プティヴェルド8%

カベルネフラン2% 

樹齢 25年

生産本数 25万本

醸造/熟成 新樽75%22ヶ月 清澄あり 濾過なし 

セカンドワイン ムーラン・リシュ/13万本

試飲レポート  96① 96② 96③

3つの畑に分かれたかつてのレオヴィルの一つ。ポワフェレ男爵がレオヴィル家から畑を購入したのが1821年。この時からレオヴィルポワフェレを名乗っています。ワイン造りに強い熱意を持ったディディエ・キュバリエ氏が1979年からシャトーを切り盛りします。エノロジストのミッシェル・ロランをコンサルタントに迎え、大柄でスパイシー、ヴィンテージに影響されることのない安定したワインを造ります。サンジュリアンの中でも最も長熟なワインの一つ。

 

Gruaud Larose(グリュオー・ラローズ)

格付け 2級

面積 82.0ha

品種 カベルネソーヴィニョン57% メルロ31% カベルネフラン7.5%

プティヴェルド3% マルベック1.5% 

樹齢 40年

生産本数 30万本

醸造/熟成 コンクリートと木製槽で3~5週間/新樽33%16~18ヶ月

セカンドワイン サルジェ・ド・グリュオー・ラローズ/20万本

アンリ・デュボスクがオーナー。サンジュリアンの南部の内陸に位置し、優れた砂礫の台地にあります。強いタンニンを備えた、しっかりとした体格の濃密なワインを造ることで知られます。たっぷりとした果実味もあり、濃い色合いのワインです。長期熟成で花開く、大きなポテンシャルも魅力です。

 

Ducru Beaucaillou(デュクリュ・ボーカイユ)

格付け 2級

面積 52.0ha

品種 カベルネソーヴィニョン70% メルロ25% カベルネフラン5% 

樹齢 38年

生産本数 22万本

醸造/熟成 ステンレスとコンクリートタンクで17~21日間

新樽50~65%18~20ヶ月 清澄あり 濾過あり 

セカンドワイン ラ・クロワ・ド・ボーカイユ/8万5000本

試飲レポート  82① 82② 86

デュクリュボーカイユの名は、サンジュリアンからポイヤックにかけて見られる石礫をカイユ(caillou)といい、これに美しい(beau)が付いて、美しい石礫(Beaucaillou)という意味。石礫はデュクリュボーカイユの畑に多く見られるだけでなく、シャトーの庭にも見られ、ここからデュクリュボーカイユの名がつきました。デュクリュボーカイユのワインは香り高く、味わいのバランスに優れ、エレガンスで品格にあふれている。格付けが再度行われれば、1級に付される実力を持つ。

 

Lagrange(ラグランジュ)

格付け 3級

面積 109.0ha

品種 カベルネソーヴィニョン66% メルロ 27% プティヴェルド7% 

樹齢 25年

生産本数 30万本

醸造/熟成 ステンレスタンクで3週間/新樽60%20ヶ月 清澄あり 濾過あり 

セカンドワイン レ・フィエフ・ド・ラグランジュ/45万本

試飲レポート  96① 96②

ボルドーの格付けシャトーの中で日本の企業が購入した初めての例。1983年にサントリーが買収し、ワイン蔵の改修と畑の改良も行った結果、樹齢が上がってきた近年、すばらしいワインを造るまでになった。エノロジストである鈴田健二氏の手腕によるところも大きい。カカオが香り、果実味程ほどにコク深い、クラシックなボルドーです。コストパフォーマンスも高く、日本人としてお薦めの1本。

 

Langoa Barton(ランゴア・バルトン)

格付け 3級

面積 17.0ha

品種 カベルネソーヴィニョン70% メルロ 20% カベルネフラン10% 

樹齢 30年

生産本数 9万本

醸造/熟成 木製槽で15~21日間/新樽50%20ヶ月

清澄あり 濾過あり 

セカンドワイン レディ・ランゴア/3万本

サンジュリアンの中でも良質の砂礫土壌にあるシャトー。レオヴィルバルトンのセカンドワインではありません。1821年にバルトン家が購入して以来、5世代にわたって所有者が変わることなく引き継がれています。オーナーのアントニ・バルトンはレオヴィルバルトンも所有し、ランゴアのセラーで造られます。しっかりとした果実味が特徴でタンニンも豊富。クラシックなボルドーワインです。

 

Saint Pierre(サン・ピエール)

格付け 4級

面積 17.0ha

品種 カベルネソーヴィニョン75% メルロ 15% カベルネフラン10% 

樹齢 42年

生産本数 6万本

醸造/熟成 ステンレス槽/新樽50%14ヶ月 清澄あり 濾過あり 

セカンドワイン なし

歴史的に分割や統合を繰り返してきたシャトーでしたが、1982年にアンリ・マルタン(グロリアのオーナー)が購入し、醸造所と畑を改良してからは安定した品質を手に入れ、サンジュリアンの中でも果実味あふれるエレガントなワインを造っています。

 

Branaire Ducru(ブラネール・デュクリュ)

格付け 4級

面積 50.0ha

品種 カベルネソーヴィニョン70% メルロ 22% カベルネフラン4%

プティヴェルド4% 

樹齢 50年

生産本数 15~18万本

醸造/熟成 ステンレス槽で3週間/新樽50%18~22ヶ月

清澄あり 濾過あり 

セカンドワイン デュリック/15万本

ラベルを見ると、Duluc Ducru(デュリック・デュクリュ)と書かれている。これは、1855年当時の所有者、Du Luc(デュ・リュック氏)にちなみ、今も称している。ブラネール・デュクリュのワインは熟成期間が長く、とりわけ独特の個性があり、サンジュリアンにしては大柄でとてもスパイシー。チョコレートのようなアロマがある。

 

Talbot(タルボ)

格付け 4級

面積 102.0ha

品種 カベルネソーヴィニョン66% メルロ 26% プティヴェルド5%

カベルネフラン3% 

樹齢 35年

生産本数 30万本

醸造/熟成 ステンレスと木製槽で3週間/新樽40%15ヶ月

清澄あり 濾過あり 

セカンドワイン コネタブル・ド・タルボ/30万本

試飲レポート  96 86

102haという広大な畑を持つシャトー。シャトー名は1453年にカスティヨンの戦いに敗れたイギリス軍司令官・ジョン・タルボットにちなんだもの。グリュオラローズのすぐ北に位置します。フルーティでリッチな味わい。フルボディのワインを造ります。『カイユー・ブラン』という名の白ワインも造っています。

 

Beychevelle(ベイシュヴェル)

格付け 4級

面積 90.0ha

品種 カベルネソーヴィニョン62% メルロ 31% カベルネフラン5%

プティヴェルド2% 

樹齢 28年

生産本数 26万5000本

醸造/熟成 新樽60%18ヶ月 清澄あり 濾過あり 

セカンドワイン アミラル・ド・ベイシュヴェル/19万8000本

庭園のように整備された、豪華絢爛で美しいシャトー。全敷地約250haのうち90haが葡萄畑。1986年にGMFグループに、1989年にサントリーとの共同出資となるグラン・ミレジム・ドゥ・フランスの経営となっています。ややフィネスに欠けることもあり、年ごとにやや不安定なワインを造る傾向もありますが、樽香のしっかりしたワインは古きよきボルドーを思わせます。