2006.3.26
パレオロッソ 2001
レ・マッキオーレ
葡萄酒蔵ゆはら 6,980円
2001年産からカベルネフラン100パーセントになったスーパータスカンのパレオ。オーナーの故エウジェニオ・カンポルミ氏が手がけた最後のヴィンテージでもあるそうです。わたしはどうもこの100パーセントものに弱いんですよね。もしくはものすごい数のブレンドとか。特に、ボルドー好きとしては、フラン100パーセントには興味をそそられます。色は濃い紫、気のせいかボルドー赤ワインの艶感。青野菜がほのかに香り、続いてベリー系の果実が香ります。アタックは濃縮感がある果実がスムーズな喉越し。酸はしっかりしていますがきめ細かく、ワイン全体を包み込むようにおおらか。苦みを伴うタンニンはフラン特有の青いニュアンスではなく、むしろ果皮を感じる果実味が伴うもの。さらっとしているタンニンで、重苦しさはまったくありません。果実がふんだんなのにこってり感がなく、タンニンがむしろ心地よい。どの要素も上級なのに高ぶった硬さがなく、人当たりがよい。そんな優等生ワインですね。
2009.6.2
ジュスト・ディ・ノートリ 2003
トゥア・リタ
更新を再開して感じることが、記憶力の低下です。ワインの購入店や価格なんて、コンスタントにワインに触れていた頃は、メモをとってなくても覚えていたものですが、しばらく更新をサボったらもう失念の連発です。これからはメモを残しておくようにしなければと改めて感じています。さてさて、最近はイタリアワインを飲んでいないなぁと開けたのがこの銘柄。トゥアリタはラベルが鮮やかで好きなんです。また、ジュスト・ディ・ノートリはカベルネやメルロのボルドーブレンドのワインということでも知られていますね。香りはベリーやカシス、コーヒーやミントっぽさなんかもあります。きめ細かなタンニンはなめらかでボルドーチック。酸は控えめで良い意味で中庸。余韻も長めで生き生きとした印象。舌で感じる液の濃さにはエキスやタンニンの塊みたいな重厚さは微塵もなく、ほのかにジャミーな果実味と革のアロマが広がります。ボルドーになぞらえようにも、どのアペラシオンにも似つかない洗練さがあるように感じたのは先入観かもしれませんが、飲み頃に入った感じのいいワインですね。土着品種も飲みたくなってきましたよ。何というかあのクセのある味というか土の香りがたまらなくいいんですよね。近々購入してみます。
2006.5.19
レディガフィ 2003
トゥア・リタ
INAGEYA
いやこれはすごいワインですよ、レディガフィ。メルロ100パーセントで20,000円近くもする、とても高額なワインには、先入観で高かろう美味かろうとくくっていましたが、これほど衝撃的なワインとは。イタリアワインといえば、濃さに偏った個性という先入観がありましたが払拭されました。抜栓してすぐに感じるフルーツの香り。フルーツバスケットを開けたように、特定できないほどの多くの果実香が立ち昇ります。色は濃い黒紫。艶やかな液体のニュアンスは濃く深くとてもインキー。インクのようなのにしつこさや嫌味がないのは、卓越した味わいの個性にあります。酸はほのかにヨーグルトっぽく、線が太く深い。ミネラルはとてつもなく顕著で、タンニンは規格外といえるほどのシルキーさ。モカのようにコク深いニュアンスがたっぷり。まだまだ若いこともあってバランスがとれていませんが、現段階ではご愛嬌。久しぶりに90点台がでるほど、飲んでいて興奮するひと時でした。残り半分はまた明日。
2005.10.24
ジュスト・ディ・ノートリ 2003
トゥア・リータ
INAGEYA
カベルネソーヴィニョン55%、メルロ35%、カベルネフラン10%のボルドーワインを連想させるブレンドのスーパータスカン。さてさて味わいは…濃い紫は艶っぽく、やや黒みがかっています。ミントなどのハーブ香や杏子のような果実香も。酸はさほど目立たず、飲んで噛み締めたあとにフレッシュに広がります。タンニンはやわらかく、甘めの果実味。濃すぎずでしゃばらず、でも存在感があるワイン。球体のようなワイン。ボルドーに似ているといえば似ていますが、よりスマートながらメリハリがあります。くびれているというか良作年のグリュオラローズに似ていると感じました。しかしながら飲み頃はもう5年ほど先のようです。なにかと話題のトゥアリタですが、造りは確かなようですね。ラベルも美しいですよ。
2007.10.6
フランチャコルタ ブラン・ド・ブラン・ブリュット NV
カヴァッレーリ
西麻布のヴィーノ・デッラ・パーチェにて。
ハチミツレモン、レモンピール。パイナップルやリンゴ、ピーチも。泡はきめ細やかだけれど発泡感はしっかり。温度の上昇につれ“麦わらの味”っぽさも出てきました。喉越しもあってボリュームもあってスッキリ感もあって秀逸。クリスタルなボトルは高級感もあったりして。ワイン王国で内藤ソムリエが押していたシャルドネのスパークですね。
2007.10.6
ガヴィ・ディ・ガヴィ“ラ・コンテッサ” 2005
ブローリア
西麻布のヴィーノ・デッラ・パーチェにて。
麦わら色。甘みさわやか。酸はスッキリ感があるけれど思いのほか柔らかい。グレープフルーツのほろ苦さと果実味のバランスが絶妙。品種はコルテーゼ100パーセント。洋ナシニュアンス、ほのかなミネラル。料理“冷たいフォルスマート~”との相性良し。ガヴィって普段ほとんど飲まないけれど、躯体はけっこうしっかりしていて和食との相性もよさげな感じ。
2007.10.6
ドルチェット・ダルバ
ファレット・ディ・セラルンガ 2006
ブルーノ・ジャコーザ
西麻布のヴィーノ・デッラ・パーチェにて。
納豆の香り(笑)。体調悪いかなぁ。人懐こい味。下草の香り。果実をそのまますり潰したような屈託のない果実味。ちょっと濃いめのピノっぽい。途中いろいろなニュアンスに変化しつつも最後はやっぱり納豆。
2007.10.6
ドルチェット・ダルバ2000
エリオ・アルターレ
西麻布のヴィーノ・デッラ・パーチェにて。
甘さがストレート。濃すぎず甘い。ダークチェリー。エレガントなタッチ。洗練されたモダンな印象。なめらかな液だけれど舌に残るタンニンはまだ硬め。胡椒のニュアンスが顕著。後ほど試したカヴィオラとの比較は面白い。
2007.10.6
ドルチェット・ダルバ “バルトゥロット” 2000
カ・ヴィオラ
西麻布のヴィーノ・デッラ・パーチェにて。
香り独特。ダークチェリー、ハーブ、焦がしたシロップ。今飲んでちょうど美味しい果実のボリューム。焼けるようなアルコール、カカオ。飲み頃に差し掛かった若々しさと秘めたパワーの充実感。濃いんだけれどくどくなく、チェリーの味が旨いなぁ。これは寝かせても面白そうですエチケッタの狼も気に入りました。
2007.10.6
ドルチェット・ディ・オヴァダ
“ヴィニェト・ヴァッレ・ノルド” 1997
ファットリア・ヴァッレ・デル・エデン
西麻布のヴィーノ・デッラ・パーチェにて。
メンソール、汗、熟成感あり。タンニンはかなりほぐれ、果実の甘さが残っている。飲み頃というよりも“いい感じ”のタイミング。お口直しの後で余計に甘さが際立ったのかもしれないけれど。熟成感のせいもあって複雑さとチャーミングさがバランスよい。フランスワインではあまりお目にかからない中間トーンの心地よい甘さ。
2007.10.6
ドルチェット・ディ・ドリアーニ “ブリッコレロ” 1995
キオネッティ
西麻布のヴィーノ・デッラ・パーチェにて。
表現がアレですがドブの香り。しつこいですが、これは私の最上級の褒め言葉です。色合いは、先に飲んだドルチェット・ディ・オヴァダ97より濃いくらい。チャーミングなプラム。汗の香り。30分くらいでやや香りがほぐれ、香味が上昇しまとまりをみせる。侘びさびを感じるなぁ。1時間ほどでやや醤油っぽさも(下降ではありません)。仏蘭西で例えるならサン・ジョセフっぽいかも。
2007/10.6
ドルチェット・ディ・オヴァダ
“グランドゥカ” 1982
ドゥカ・ダスティ
西麻布のヴィーノ・デッラ・パーチェにて。
畳や下草のニュアンス。ほのかにビネガーのニュアンス。でも果実をちゃんと感じる酸で生きています。本日のワインの中で唯一出汁梅を感じ、時間がたてばたつほど若返るというか命を感じる好感の1本。飲み頃。
2007.10.6
モスカート・ダスティ “ヴィーニャ・センツァ・ノーメ” 2006
ブライダ
西麻布のヴィーノ・デッラ・パーチェにて。
柑橘の香りがいいですね。さわやかな甘さとグレープフルーツ。洋ナシのソルベとの相性抜群。柑橘果皮のニュアンスなどちょっとした複雑さもあって秀逸。
2007.7.28
トレント・ブリュット“ペルレ” 2001
フェラーリ
脚の長いきめ細やかで優しい発泡が心地よい。伸びやかで高い酸、グレープフルーツの苦味。蝋のニュアンス。内藤ソムリエ曰く、「フレッシュな鉄」。ミネラリーでシャブリがスパークになったようなニュアンス。乾杯にふさわしい、旨みのあるスパーク。
2007.7.28
ノシオーラ トレンティーノ“シンボル” 2006
ラヴィス
ライチ、シトラスの香り。香りからしゃっきりした味わいを想像したが、飲むとグレープフルーツ、柑橘系の香りとともに、ややまったり感あり。丸みがあってやわらかいともいえるけど、2006年ものと若いだけにもう少し主張がほしいかもしれない。
2007.7.28
コルネリアス・ビアンコ 1996
コルトレンツィオ
アルト・アディジェのコーポラティブによる有機農法のワイン。96年もので決して若くはないけれど、すでに30年選手のような強い琥珀色。香りは紹興酒そのもので、味わいは醤油がかった「酢」を感じるもの。スワリングでナッツ香あり。一見、難ありなのかなぁと感じるも、ほろほろ鶏レバーとは驚愕の相性を見せる。36時間前の抜栓。
2007.7.28
コンテスト 1995
カソン・ヒルシュプルン
オイリーでバターのニュアンス。ほのかに樽も感じます。直前に飲んだコルネリアスに比べると、抜群に綺麗な熟成を感じます。熟成によるミネラル感もあって、麹のニュアンスも。まろやかで、単体ではコルネリアスに勝るも、ほろほろ鶏レバーとの相性では劣る(酸が主張する)。36時間前の抜栓。コルネリアス96とコンテスト95は非常に興味深く飲みました。
96より95のほうが10年以上若く感じ、熟成のスピードも(当たり前といえばそうなのですが)まったく違うことです。これはあとに飲んだ赤にも感じたことで、幅広い土着品種やナチュラルな造りなど、要因は想像以上に複雑なように感じます。個人的なイタリアワインの嗜好として、熟成したワインのほうが圧倒的に好きですね。品種の個性とエレガンスが共存し非常に興味深いところです。
2007.7.28
サンタ・マッダレーナ・アルト・アディジェ
“ロンデル” 2001
ゴイヤール・フランツ
ボルドー右岸のワインを思わせる。
青ピーマン、ローズ香、やや生くささあり。ぬめりとした質感。乳酸のニュアンス。チャーミングな甘さあり。やや焦点が定まらない感じで好みが分かれるかもしれない。品種はスキアーバとのこと。24時間前の抜栓。それにしても内藤ソムリエの飲み頃を見越した遥か数十時間以上前の抜栓の感性はいつも素晴らしいです。経験と自身のなせる業ですね。
2007.7.28
グラナート 1996
フォラドーリ
ダークチェリー、コショウ、ジャミーで濃く、甘い。果実の凝縮感あり。ボルドーチック。造りの主張が明確でわかりやすい。顕著な熟成香。時間の経過で甘さのバランスもとれ、程よく球体になってきた。タンニンも強すぎず、熟成の経過を楽しめる好ワイン。
2007.7.28
マルゼミーノ・トレンティーノ 1979
ガイヤー・ホフ
淡い色合い。わずかにしょうゆ・紹興酒のニュアンス。やや塩辛く、ミネラルを伴う渋みも。優しく綺麗に下っていっているなぁと感じるワイン。熟成の後期中盤に入っている。似た印象のワインを探したが、ヴォーヌロマネの古酒に近いような印象。グラナート96と比較して飲むと、熟成の年表のように感じる。いやぁ勉強になります。
2007.7.28
モスカート・ロザ・アルト・アディジェ
“シュワイツァー” 2005
フランツ・アース
ザクロ、プラムニュアンス。さわやかに甘く、軽快ながら甘すぎない。マスカット、チェリーのニュアンスも。香りは軽快なのに複雑で、つかみどころがない印象。独特です。内藤ソムリエ曰く、「覚醒する香り」。
2007.5.14
ブリュット・アスプリーニオ
イ・ボルボーニ
非常に高い幹に葡萄がなるため、脚立を使って収穫しなければならない。そのような手間がかかることもあり、栽培を手がける生産者が減っているという貴重な品種“アスプリーニオ”。内藤ソムリエから教えていただきました。酸が非常に際立ち、まるでライムやレモンを丸かじりのようなニュアンス。さっぱりとしていてこれからの季節にぴったりのスプマンテ。生牡蠣なんかにばっちり合いそう。
2007.5.14
グレコ・ディ・トゥフォ 2005
カプート
グレコ・ディ・トゥフォ種。マンゴーやライチの香り。メロンの甘さにはっさくの皮のほろ苦さ。ほのかに樽のニュアンス。若いが主張が強くなく、完熟感を秘めた果実味。スモークされた川鱒との相性は絶妙。スモークとぶつかることなく、そっとやわらかな果実味を添える感じ。ナイスなマリアージュ。時間が経つと甘さが現れ、より丸みを帯びた姿に。
2007.5.14
フィアーノ・ディ・アヴェッリーノ 2001
クレリア・ロマーノ
丸いボウルのグラスにサーヴィスされたフィアーノ種のワイン。メロンの皮の苦さ。ミネラル。ほのかにオイリーでナッツのニュアンスも。熟成感。舌に残る蜂蜜のほのかな甘さ。ソーヴィニョン・ブランのようなニュアンスも。アフターのほろ苦さ、蝋っぽさ、複雑さはボルドーブランと共通する印象。
2007.5.14
ファレルノ・デル・マッシコ・ロッソ “ヴィーニャ カマラート” 1997
ヴィラ・マチルデ
アリアニコ種100%。超凝縮したドライフルーツ、シュガーはわずか。アルコールが立ち込める。酸やや強め。鉄分を感じる。ロースト、ヴァニラ。アフターで樹皮のような苦み。時間の経過と共に開いて現れる更なる苦みが旨い。97年もので澱も多めだが、酒質はまだまだ若く感じる。
2007.5.14
タウラージ “ヴィーニャ・マッキア・ディ・ゴティ” 1998
アントニオ・カッジャーノ
アリアニコ種100%。直線的な甘さ。煮詰めたジャム。干柿、黒糖、アジアンチックなスパイス。液は濃く、タンニンもスパイスも詰った上で甘い感じ。内藤ソムリエは何と26時間前に抜栓したとのこと。ポテンシャルはかなり高そうだ。印象深い。
2007.5.14
メル 2000
アントニオ・カッジャーノ
フィアーノ種、グレコ種の甘口ワイン。デラウエア、フルーツトマトのニュアンス。ハチミツ。デザートの甘さに負けない“甘み”。デザート、ワイン共に勝ることのない主張。
2007.5.14
セルピコ・イルピニア・ロッソ 1995
フェウディ・ディ・サン・グレゴリオ
アリアニコ種100%。プルーンの香り。カラメルソース。ヴァニラ。果実と甘さと青さのバランス感。カベルネソーヴィニョン、カベルネ・フラン~ボルドーワインのニュアンス。タンニンが溶け込んで壮年期に入ったようなフルボディ。単一品種とは思えない構造。本日の一押しワイン。
2007.5.14
タウラージ 1980
マストロベラルディーノ
アリアニコ種100%。もう10年若いブルゴーニュのような味わい。やわらかで優しいチェリー。たちこめるフランボワーズ。タンニンは繊細でようやく液に溶け込み始めたように感じる。ズバリ90年と読んだのですが大外れ。とてつもなく長生きしそうなワイン。
2007.5.14
タウラージ "リゼルヴァ・イル・フォンダトーレ" 1971
マストロベラルディーノ
何とバースディ・ヴィンテージのワイン。マディラがかった液。アリアニコが昇華するとこのような液になるのですね。しょうゆ、ヴィネガー。独特のシナモンのニュアンス。個人的にはもう5年以上早く飲みたかった印象。
2006.10.21
ロッソ・デル・ヴェロネーゼ 1998
マアジ
スパイシーさもあってタンニンはしっかりあるけれどどこかやわらかな酒躯。カラメルのようなほろ苦甘さが美味い。酸はまだまだ若く、まだまだ息が長い印象のワイン。BVCワイン会の終盤で頂いたワインで、このワインを飲むあたりはもう酔っ払っていて乱筆メモと記憶が頼りです。プライベートでリトライしたいワインです。
2006.10.17
ビアンコ・ランゲ 2003
ジュゼッペ・ドメニコ・ヴァジュラ
リースリング100%のワイン。色は淡い麦わら色。香りはメロン、トロピカルフルーツが顕著で、シンナーのような揮発香もふんだん。酸は穏やかで丸い。時間が経つとトロピカルフルーツのニュアンスはより鮮明になりマンゴーの香りが。少しミネラリーな感じもあって、時折無表情に感じるのも面白い。口中に多めに含むとより個性が分かりやすい。
“チーズのスフォルマートルコラのソースとフォアグラ添え”との相性は良好。フォアグラはもちろん、ソムリエが「彩りのため」と言っていたソースとの相性がなかなかでした。季節を問わず楽しめる万能な白ですね。フランスワイン好きの方にも受け入れられるワインだと思います。プライベートストックにおすすめです。
2006.10.17
バルバレスコ1999
プロデュトリ・デル・バルバレスコ
ベリーを思わせる深い深い果実。スパイシーさもあって厚みがあります。一方、重さのみでなく程よい熟成感が出てきています。このワインと“ピエモンテのタヤリン羊のラグー赤ワイン風味と九条葱、キャベツ和え”との相性は今日の一番。料理とあわせることで重厚さと軽快さも感じられました。肝系の料理とも合いそう。
2006.10.17
バローロ“リゼルバ”1989
カッシーナ・クッコ
セロリの香り。わずかに青さが残る。塩辛さがありミネラリー。キノコのような熟成香がむんむん。タンニンは液体に溶けきっていない。時間の経過と共にさらに塩辛とミネラリーさがぐいぐいと押し寄せてくる。果実味が控えめで男っぽさを感じるワイン。1989の醍醐味に満足。
2006.10.17
バローロ “ヴィネート・ボファーニ” 1989
バタシオーロ
濃いルビー色。石油、シンナーの香り。スルメイカのような乾物の香り。脚が長い。タンニンはシルキーの一歩手前くらいで繊細なワイン(液)。重量感は皆無で熟成感が高い。澱多め。ソムリエが当日朝6時に抜栓しておいたワインとのこと。タイミングはばっちりですね。きしめんともすいとんとも言えるパスタとの相性はまずまず。
2006.10.17
ブリュット・ピエモンテ・ラ・ベルナルディナ 1996
チェレット
淡いほとんど透明に近いイエロー。口に含むとはじける泡がきめ細やか。酸は直線的でフレッシュかつ高め。生き生きとしています。香りは果実香がチャーミング、イースト香もふんわり。1996にしてこのフレッシュさはポテンシャルの高さを感じますね。
2006.10.17
バローロ “ブルナーテ” 1979
チェレット
獣香、ドライフラワー。ジャミーなニュアンス。キノコのニュアンスもむんむん。液面は脚長い。とげがすっかり取れきってタンニンも酸も昇華状態。口中に多く含んでも収斂味がまったくありません。十二分に美味しいのですが、個人的な嗜好としてのべストな飲み頃としてはもう少し早く飲んでも良かったかな。と感じました。熟成の素晴らしさは堪能できました。内藤ソムリエ曰く「しおれた薔薇の香り」。これには納得。
2006.10.17
バローロ “リゼルバ” 1964
セラフィーノ
参加者から「汗の香り」の声が。ソムリエはこれを「官能的な香り」と説明。アルコール香高め。果実はまさに完熟し、安定期に入っている。強い鉄分があり、酸はまだしっかりと生きている。時間を置くとカシスの香りと血のような香りが現れ、チェリーのようなほのかな甘さもありました。
2006.10.17
モスカート・ピエモンテ 2004
ガッティ・ピエロ
グレープフルーツなど柑橘系の香り。微発泡でデリケートな甘み。氷砂糖のニュアンス。清涼感が高くなめらか。するすると飲める。酒躯のわりに香り高く好印象。シュガーなワイン。大振りの丸いグラスでいただきました。砂のデザート“ザッピオーザ・マスカルポーネのソースと洋梨のジェラート”との相性は、どちらが勝ることなくバランスがとれています。爽やかな印象で料理を締めくくることができました。
2006.6.19
ベルナッチャ ディ サンジミニャーノ 2003
パラジェット
レモンのシロップ漬けのようなサワー感。花の香りがやさしく香る。さわやかな酸は、口中ではふくよかに広がります。キュートなワイン。合わせたのは前菜の前に出たアナゴのフリット。からりと揚がった薄味のフリットとのマリアージュは、酢だちを搾って食しているような“和”のテイストを感じるものでした。
2006.6.19
キャンティ・クラッシコ 2001
カステッロ・ディ・フォンテルトーリ
サンジョベーゼ85%、カベルネソーヴィニヨン15%のキャンティ。ロースト香あり、シナモンのニュアンスあり、煮詰めた果実ありで妖艶。濃い赤系のジャムにスパイシーさが加わりエキゾチック。後でブレンドを聞いて、アフターの強さは確かにカベルネチックだなぁとうなずく。澱多め。蒸さずに歯ごたえ・食感よく焼き上げた鰻のしっかりとした味は勿論、酸味をきかせて添えられた黒米のリゾットと相性抜群のグラスでした。
2006.6.19
キャンティ・クラッシコ ジョルジョ・プリモ 1999
ファットリア・ラ・マッサ
サンジョヴェーゼ93%、メルロ7%のキャンティ。フォンテルトーリのキャンティに比べると中程度の果実ながら、革やアジア系のスパイスが効いておりアルコールは高い。樽味、タンニンはこなれてエレガント。メルロも効いている。澱あり。時間を置くとバナナのようなトロピカルさもあらわれた。やわらかで見事な熟成のバランス。トマトソースでピリ辛が効いたうどん状のパスタと好相性。皿はしっかりと熱が通っていた。
2006.6.19
キャンティ・クラッシコ "レゼルバ・テヌータ・マルケーゼ・アンティノリ" 1999
アンティノリ
サンジョベーゼとカベルネソーヴィニヨンのブレンド。飲み慣れないイタリアンだけに、このあたりは味の微妙な違いを利きわけにくかったのですが、きめ細かなタンニンが印象的でした。やはり熟成による丸みがアフターのタンニンをより飲みやすいものにしています。徐々にやわらかくきたグラスの流れが一旦止まったように感じた、奥に秘める芯の強さ。
2006.6.19
ヴィノ・ノヴィレ・ディ・モンテプルチアーノ "アジノーネ" 1998
ポリツィアーノ
ブレンドは失念ながらこれが本日の1位。アルコールが強く、ほのかに塩辛い。ミネラリーかつスパイシー。香りは1998年ながらやや閉じ気味で、微妙に開いていくのを感じました。開くにつれプラムが現れチャーミングな一面も。甘いノーズ。噛み締めるほどにカカオのニュアンスが美味い。タンニンとイベリコ豚の脂との相性良し。ジューシーすぎるほどの脂は個人的に全く問題ありませんでした。
2006.6.19
ブルネッロ ディ モンタルチーノ 1991
ペルティマリ
内藤ソムリエが28時間前に抜栓したというブルネロ。氏のプライヴェートストックであるとも。ブルネロだけに勿論美味いが、唸ったのは第一印象のブルのニュアンス。ジュヴレイのようなやや濃いめのピノのニュアンスを感じた。チャーミングかつ深い赤系の果実。エッジはまだまだ若さが残るグラデーションであわいルビー、足が長い。余韻長し。革のアロマ。熟成感とまだまだ先を感じる生命を感じました。1位のアジノーネを凌ぐ、本日のチャンピオン。
2006.6.19
ヴィン サント"レチナイオ" 1997
サンジェルヴァジオ
トレッビアーノ100%で極甘口のデザートワイン。トロピカルと蝋味のような複雑さが一体。トカイとベーレンアウスレーゼを足したような印象。あめ色で、くどすぎない甘さと高いアルコール。ヴィンサントのために30分掛けて焼くというリコッタチーズ入りのパイと完璧な相性を見せました。また、ショコラとの相性もぶつかることがありません。幸せな気持になれるワイン。
2005.8.28
ロザート 2004
カステッロ・ディ・アマ
オーケストラワインショップ 1,700円
キャンティ・クラシコのためのキュヴェから造られるロゼ。サンジョベーゼ90%、カナイオーロ10%。色は鮮やかで濃いピンク。チェリーのように酸がフレッシュで果実味がとても豊富、濃縮されたよう。若いキウイのようにキレのある酸と、濃い果実が相俟い、ロゼにしては大柄な酒躯を感じさせる主張がはっきりとありつつもほのかな甘さが飲みやすさを手伝っている。完成度が高い。口当たりから喉越し、余韻まで楽しめるロゼワイン。こけれだしっかりしたロゼなら、四季を通して活躍の場があるでしょう。