【プラチナチャレンジ1泊目.2泊目】
道の駅に隣接し共存することで、道の駅の食とホテルの住を分かち合うコンセプトのフェアフィールド道の駅。まだ泊まった数は少ないものの、ついにその最高峰に出会った気がしました。そのホテルはフェアフィールド・バイ・マリオット和歌山すさみです。海に面することでこの上ないオーシャンビューの景観を備えつつ、隣接する道の駅では新鮮な海の幸を食せる環境。そして源泉かけ流しの温泉も館内にある国内唯一のフェアフィールドになります。
ホテルは和歌山県の南端に位置し、阪和道のすさみ南インターで降りてすぐにあります。神奈川からは新東名経由で8時間程かかりました。しかしながら、それだけ長い時間をかけて向かってもまた来たいと思える素晴らしいフェアフィールドです。ホテルは海に面しており、正面には江須崎が見えます。道の駅すさみへは歩いて3分程の距離。ホテルからも道の駅からも海を感じる贅沢なロケーションです。2泊3日の滞在でしたが、食については、道の駅にある"蒼海"(そうかい)での海の幸と、ホテルから車で10分程の距離にあるイタリアンのBUSH DE COFFEEが最高でした。この2つがあれば事足りる感じです。また、道の駅で売っているパンやめはり寿司も朝食などに適していました。ホテルでの滞在は24時間海を感じながら、朝陽や夕陽の移ろいとともに流れる時間が最高でした。ちなみにフェアフィールド和歌山すさみは、マリオットボンヴォイのホテルカテゴリーでは現状カテゴリー3であり決して高くありませんが、体感では4や5に相当する価値のあるホテルだと感じました。
ホテルは地上6階地下1階建てです。地下は天然温泉の"望海のゆ"(のぞみのゆ)があります。温泉は宿泊客は無料で利用でき、外来での利用も可能です。こちらは大人800円ですが、道の駅で2,000円以上の買い物をすると、800円から100円引きになるサービスがあるようです。ホテルは夕陽や朝日が映え、フェアフィールドのシンプルな外観ですが様々な表情を見ることができました。海を挟んで向かいにある江須崎から見えるフェアフィールドの姿は、まだ海に馴染んでいないかのようなモダンな外観ながら、海に面する立地が誇らしげにも見えました。
フェアフィールドすさみの特長は共用スペースからの景色にあります。朝の爽やかな海の景色も癒やされますが、特にオーシャンビューの圧倒的な景色に圧倒されたのは夕暮れの時間でした。フェアフィールドではおなじみの共用スペースは全面ガラス張りで、夕暮れの陽がホテルに向かって伸びているように照らしています。部屋からも海は見えますが、コーヒーを飲みながらパノラマに楽しむには共用スペースからの景色が最高です。
売店はフェアフィールドではおなじみでフロント横にあります。フェアフィールドを訪れると必ずこちらのコーナーを覗いてみるのですが、ご当地の美味しいものなどが売られていて楽しみでもあります。和歌山すさみではイノブタカレーやみかんジュースなどが売られていました。フェアフィールドではどうしても道の駅で買ってしまうため未だホテルの売店を利用したことはないのですが、早い時間に閉まりがちな道の駅ですから、遅い到着時などの食事には助かるコーナーであることには間違いありませんね。陸の孤島であることがありがちなフェアフィールドでは強い味方です。ちなみに利用は交通系ICカードやクレジットカードなどのキャッシュレス決済限定になります。部屋付けにはできませんのでご留意ください。
今回はホテルバウチャー(11,495円)を利用しての宿泊だったため、基本は山側景色の部屋になるのですが、予め海側の部屋をリクエストしていました。結果、リクエストが叶い海側の部屋(最上階の6階)を用意していただきました。基本料金では海側と山側では数千円の差があり海側が高いので今回は有難かったです。やはりフェアフィールド・バイ・マリオット和歌山すさみに泊まるなら、海側がマストだと感じました。一方で部屋の内観は他のフェアフィールドと同様の造りとなっています。同じ造りであることは、使い慣れると、地方は違っても自分の部屋のように安心感が芽生えてきますね。こちらのフェアフィールドでは、いつものソファの背中に海が見えるのが最高でした。ベッドに横になって窓を見ると海が見えるなんて素敵すぎますし、夕陽も最高です。
"望海のゆ"はエレベータで地下1階にアクセスします。靴を靴箱に入れ、鍵を温泉の受付に渡しバスタオルとロッカーキーを受け取ります。さあ温泉に!と気持ちがはやりますが、待合スペースから見える海の景色に思わず足が止まります。こちらは待合スペースの湯上がり処からして快適な空間です。当たり前のオーシャンビューで、海を見ながらゆったりとビールやジュース、ソフトクリームなどを楽しむことができます(売店あり)。加えて外のオープンデッキに出れば、海風を感じながら湯上がりを涼むこともできます。こんな素敵なスペースは他の温泉でもなかなか整備されていません。
いざ温泉に向かうと、まだ真新しい"ゆ"の暖簾が出迎えてくれます。外来の利用もあるこちらの温泉"望海のゆ"はフェアフィールドが施設の運営を道の駅に委託して行っているものになります。温泉施設におけるサービスは決して悪くありませんが、道の駅の運営によるもののためか、フェアフィールドのような徹底したものではないようにも感じました。たとえば、団体で風呂上がりにビールを飲んで騒ぐ者への対応です。今回目にしたのは50代くらいの複数名の一行ですが、風呂では大声で喋り、風呂上がりではビールでさらに勢いをつけ大声で喋る。こうした光景を従業員は目の当たりにしながら注意もない。売上重視の道の駅の運営だからなのか・・・とも勘ぐってしまいます。少なくともマリオットブランドの一つであるフェアフィールドのホテル内にあることを踏まえた、しっかりとした対応が求められます。
"望海のゆ"の温泉はその心地よさに間違い無い良い温泉でした。特に露天風呂は目の前に江須崎が見え最高です。湯は熱すぎない丁度よいものでずっと浸かっていられる湯加減です。朝も夕方も夜もどの時間帯に入っても心地よく、畳のような藁のような独特の香りの温泉は最高です。私は壺湯が特に気に入りましたよ。この温泉を目当てにまた訪れたい気持ちです。
"望海のゆ"の温泉は内湯も心地よいものでした。温度は露天風呂よりやや高めですが、浸かりながらガラス越しに外の海の景色もみえます。内湯に座って浸かりながらも景色が見えるように造られたような構造は、フェアフィールドらしいユーザー目線の使い心地重視の造りですね。
フェアフィールドでは定番のBALMUDAのトースターです。朝食は道の駅で買ったレーズンくるみパンとチーズパンを温めて食べました。思った以上に美味しくおすすめのパンです。すさみ町内のパン屋さんが毎朝届けているようです。トースターで熱々のパンになりましたが、こちらのフェアフィールドではキッチンスペースにトレイも用意してあって便利です。
フェアフィールド・バイ・マリオット和歌山すさみでは、道の駅で食事をするのが基本になります。基本的にはレストランは昼間は"蒼海"、夜は"すさみ夜市"。このほか店舗内にあるパンコーナーやお弁当コーナーでパンやめはり寿司などを買うことになります。個人的には少し早めの夕飯として午後3時代から4時にかけて蒼海で食べるのをお勧めします。
めはり寿司は道の駅の売店で買えます。見た目も豪快なお弁当で、めはり寿司が2つと、大きな玉子焼きがドカンと入っています。玉子焼きはだし巻きな感じで、唐揚げは小ぶりながら美味です。お味噌汁はフェアフィールドのコーヒーコーナーにインスタントが置いてありました。やや高めかなあと思いつつも、こちらのお弁当一つ780円です。郷土料理を味わえるお弁当としては一度は食べて見る価値ありですね。フェアフィールドに持ち帰って、共用スペースでソファに腰掛けながら、夕陽を眺めながらゆったり食べました。食料を調達して今日スペースで楽しむのもフェアフィールドでの滞在スタイルとして定着しつつあります。道の駅で販売するお弁当の種類が増えると、フェアフィールドユーザーにとっては必ず買うと思いますので今後に期待です。
道の駅にあるレストラン"蒼海"は昼は11時に開店し夕方16時頃まで営業しています。メニューは地元名産のイノブタ料理もあれば、やはり海の幸のメニューが豊富です。価格帯も1,000円〜1,500円位が中心で、天丼や海鮮丼など美味しい魚介類を楽しめます。カレーや蕎麦などのメニューもあり、年齢層問わずメニューを選べそうなお店です。夕方前には閉店してしまいますが、美味しさとボリュームからすればこちらのレストランで早めの夕食を食べるのがお勧めだと感じました。何回かリピートしても、飽きないくらいにメニューは豊富です。団体客も食べれる専用スペースがあります。一般席は開店と同時に満席になりますが、回転も早いのでさほど待つことなく食べれると思います。なお、こちらのレストランは、最初にレジで前払いでオーダーし、その際に席を指定し案内されますので、予め席を取ってからオーダーするシステムではありません。
フェアフィールド・バイ・マリオット和歌山すさみから車で海岸沿いを東へ走ること約1時間でお隣の串本町にあるフェアフィールドにたどり着きます。こちらのフェアフィールド串本もオーシャンビューのホテルで、観光スポットの橋杭岩と道の駅串本の目の前にあります。海が見える点ではすさみのフェアフィールドと遜色なく、食べれるお店は串本のフェアフィールドのほうがホテルの周りに多そうです。そもそも串本町のほうがすさみ町より栄えている感じがします。ホテルに温泉はありません。こちらのフェアフィールドも個人的には気になっており、ついつい訪れた次第です。名勝地の目の前にある立地はとても良いですね。また和歌山を訪れる際は泊まってみたいホテルです。
橋杭岩はとても雄大な景色です。内海の穏やかな景色と大きな岩のどこかちぐはぐな感じが面白いですね。フェアフィールド和歌山串本の海側の部屋からもこの景色は見えるようで、岩の背景に日の出も綺麗に見えたら素敵ですね。